ギターの音と構造の関係 #014 シンクロトレモロの調整3
- minashunta
- 2015年7月9日
- 読了時間: 4分
前回は裏のバネの締め具合の話をしましたが、
ここでちょっと裏をもう一度見てみましょう。

そう、スプリングって掛け方が何通りもあるし、本数もひとによって結構違うんですよね。
僕も前は二本だけにしてた時期もありました。
今は三本です。
4本でもいいかな。
五本にはしないかな。
ちなみにこのセッティングは、6,5弦をタイトにしつつ、1,2弦は柔らかく、というのを狙ってます。
バネの掛け方と、アンカーの斜め具合で、そういうイメージを感じてもらえれば。
調整していく際のイメージは。
バネが伸びていればその分元に戻ろうとする力が働き、剛性が上がり、縮んでいればその分下がる。
本数を増やしすことで、同じ力を出すために必要な一本あたりの力は減るので、
分散させることができる…などなどを
まぁそこらへんは例をあげても仕方ないので、自分でいろいろ試してみてください。
今回はもうひとつ。
表側の六本のネジを調整しよう、という回です。
浮きすぎても、締めすぎてもダメだ、ということは前々回でわかっていただけたと思います。
今回はその許容ラインの中で、音を変えよう、という試み。
ぶっちゃけ、今回の記事を書くに当たって試してみたところかなりいい感触を得たので紹介します。
まず前の状態はこんなかんじ。
二点の真ん中やや浮かし。
割と倍音が出る、柔らかいセッティングでした。
アームなんか使うのなら、擬似的な2point Bridgeのような働きになるので、これもいいと思います。

そして今回は、6本を均等に。
さらにバネで引っ張られる分を考慮してほんの少しだけ締める、という感じ。
全体的にガチッとボディに密着させて、タイト目に仕上げました。
バネも、チョーキング時にやや動くくらいです。
1,2弦と6弦では、ちょっと動き方も違います。
そこはバネのかけ方なんかで調整できます。
まぁゴタクはいいから音を聞いてもらいましょう。
アンプのセッティングとカメラポジションはほぼ同じ、
弦はDAddarioNYXLの09-46を1ヶ月張ったものから、同じくNYXL 09-46に交換。
追追説明しますが、フレットを磨いたり、という他のメンテナンスもやっています。
ストラト→Belden8412×Neutrik NP2X-Bプラグ(金メッキ)→Roland AC-33
と言う機材で、iPhone5のカメラ機能で撮影、です。
改めて聞くと結構ブライトに、というか実音がしっかり出るようになりましたね。
以前はもっと弦高が低かったりして、自分で弾くんだからいいや、っていうギターでしたが、
最近はメインとして使うのと、仕事としてしっかり音を出さねば、ということもあり、
よりしっかりとした音を出す方向にシフトしています。
とは言っても、カッチリとさせすぎず、ポイントポイントで剛性を下げる方向に調整してあげると、
こんなかんじになりますよーと言う例ですね。
いわゆる日本製がかっちりしすぎ、というのもこの辺りで改善されるところって結構あると思います。
まぁ、fender japanなんかは配線材細すぎてダメだったり、というのもあったんですが。
あぁ、そうそう。
今までの話の中で、ネジを外してくださいということは言いませんでしたが、今後そういうこともあります。
その時の注意事項を先に。
ネジを外す時はいいのですが、もう一度ネジを取り付けるときに気をつけないと、ネジ穴がダメになってしまいます。
これは木ねじ全般に言えることなので、覚えておいて人生に損はないです。
ネジ穴にネジを置いた状態で逆側に回して、コツンと落ちたところから回し始めてください。
そうすると、元々あった溝にしっかりハマってくれる、というわけです。
もし、適当に回しちゃうと、新しい溝を掘ってしまい、何度もそういうことしてるとネジ穴としての強度が保てなくなります。
ガバガバヘイになっちゃいます。
あとは、締めすぎるのも良くありません。
進むとこまで行ったら、そこで止める。
それで充分なんで、それ以上に閉めようとしても空転しちゃう、というか溝が広がるだけでいいことはありません。
ピックガード、ブリッジピンなどではよくある症状ですお気をつけてください。
日曜大工で、適当な木に下穴を開けてネジを締める、なんてことをやってみるとよくわかると思います。
というわけで、今回でシンクロトレモロの調整に関しては終わり。
次回は、ペグとブリッジサドルの種類について....あたりがいいですかね。
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