ギターの音と構造の関係 #013 シンクロトレモロの調整その2
- minashunta
- 2015年7月2日
- 読了時間: 3分
前回は、シンクロトレモロの悪い状態の例を上げて説明しました。
理解してもらえたでしょうか。
今回は、まずまともな状態にしましょう。
大前提として、まともな状態のシンクロトレモロというのは
・ネジが一定のラインまで締まっている
・裏のバネが適切な強さで張られている
・その上でサドルが平行に調整されている
ということが必要になります。
前回までのことと、サドルをレンチで調整することで、ここまでは大丈夫だと思います。
これでシンクロトレモロに限っては悪い状態、ではなくなりました。
しかしそれで終わるわけはありません。
今回は、もっといい状態にするためには?と言う話。
アドバンスドコースというわけです。
まずは裏のバネの話をしましょう。
トレモロスプリング、などといった名前でリプレイスメントパーツもたくさんでています。
買い換えると音が変わる、と言いますが。
そもそも今の状態でも音を変えることが出来るのです。
というかそういうことを試さずに買い替えて音が変わった!と言ってる人が割と多いのですよ。
取り替えたってことは=調整したってことですから。
と言ってもフローティング状態の場合は、弦の張りと釣り合わせる必要があるので、あまり選択肢はありません。
が、ベタ付けの場合は選択肢がいくつか有ります。
まずは、張る強さだけに注目してみましょう。
ベタ付けにするということは、バネを締める、ということ。
いくら締めたって、いいわけです。
ベタ付けの状態で、チョーキングをしてみましょう。
その時、
1.ブリッジが浮く
2.少しだけ動く
3.全く動かない
と、おおまかに分けると三種類の挙動が見られるはずです。
これがどういう効果が?
わかりやすいのはブルースで、3弦チョーキングしながら、2弦弾いたり、と言うフレーズ。
1番の場合はこの時、に2弦がフラットするはずです。
俺はギターボーカルでチョーキングしないから関係ないかな??
いやいや。むしろコードプレイのほうが影響はあります。
6弦開放を含むEコードをバシーンと弾いた時に、
6弦のピッチが立ち上がりの一瞬だけシャープし、
すぐにフラットから元の音に戻るようなイメージで揺れると思います。
簡単に言うと、ピッキングの強さだけでも影響があるんです。
コードで弾くと顕著に現れる、ピッチが不安定という弱点。
単音弾きならば、耳で聞きながら調整できますが、
コードで6本全部を調整なんて言うのは、無理です。
なら、そういったことに影響のない3の状態がいいんだ!
よーしおもいっきり締めるぞ!
という答えに行き着くのは、プレイスタイルによってはいいかもしれませんが、ごく一部の方だけ。
というかこのブログ的に言ってしまえば、大きな間違い。
言わずもがな、もっと奥が深いわけで、
締めるにしても色々な締め方があるんです。
ここで、#010で説明した剛性と言う言葉が出てきます。
1番は剛性が弱いセッティング。
倍音成分が多く、ふわっとジョワーンと広がるような軽さとしなやかさが有ります。
3番は剛性が強いセッティング。
実音がしっかりと出てくれます。
ジャキンとしてくれますが、硬さが出てくると人によっては扱いづらくもなります。
2番は、この中間。
なので、バランスがいい。
と。まぁそう思ってくれて結構です。
しかし、3段階なわけはありませんよね?
無断階にバランスがあるわけです。
そしてそのバランスを構成する要素はバネの張りの強さ、バネの種類だけではないのはもうお分かりのはず。
ということで、次回はもっと深く踏み込んだ、そんな話。
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