ギターの音と構造の関係 #009 序文、最終章
- minashunta
- 2015年6月25日
- 読了時間: 4分
さてさて。
では本番に入りますよ。
モデルごとの構造やパーツを分析し、音の成り立ちを解明し、研究て行こうと言う企画になります。
木材。
ソリッドかホロウか。
ネック角度などの設計。
ブリッジの種類。
ペグの種類。
金属パーツの素材。
セッティング。
塗装。
など。
様々な要因が絡み合い、どのようなバランスで成り立って居るのかで、ギターの音は決まります。
それを、説明し、理解してもらうために、今回は。
今後使って行くであろう独自表現について説明したいと思います。
えーとですね。
剛性や比重という表現が多用されると思います。
木材や金属パーツの素材ごとにも使いますし、ギターの構造設計にも、とにかく幅広く出てくると思います。
あまり、ギタリスト的には馴染みがないかもしれませんが、中学生くらいの物理学と、少しの想像力があれば理解出来る範囲で。
(というか、僕が説明出来るのなんてその程度…笑)
剛性、と言う表現について。
これは単に硬さ、だけでは説明出来ない、折れや曲げへの強度、いわゆる粘り、密度、比重まで含めて。
あるいは分解して。
説明しやすくするために、文中で使っていきます。
例えば
木材なら。
固ければ剛性が強いのか…というとそんな単純な話ではなく、例えばエボニーは硬いけど割れやすい。
マホガニーは比較的柔らかいけども、重さや粘りがしっかりあるので、割れたりはしづらく、耐久性が高い。
金属で言うなら、
鉄は重くて丈夫で粘りがある。
アルミは軽くて柔らかい
チタン軽くて硬い
などなど。
弦でもあります。
ハリが強い、剛性が高い。
ハリが弱い、剛性が低い。
ゲージの違いもありますが、例えゲージが同じでも、ハリの強さは変えられる。
あと、比重。
これも素材に対しての当たり前の使い方と、全体を見た時にあえて使う場合があります。
同じ大きさで、重さがどれだけ違うか、っていうことです。
例えば、ネックにくっついてるペグ。

クルーソンタイプ
よりも、
ロトマチックタイプ

のほうが、鋳物で密度が高いため、
取り付けられたヘッド全体の比重が大きくなります。
というかこの場合質量自体も大きくなってるんですが。
そういう話になるとめんどくさいので、全体で見た時の、比重、と言う使い方をしていくということをご了承ください。
(その表現だとわかりづらい、っていう人は多分逆にわかってる人だと思うので無視します)
例えばね、ヤング率とか、横断性係数とか、ビッカース硬度とかそういう具体的な数値出してやる方法もあると思いますが、そんなの引っ張りだして色々言っても、わかりませんよね。僕もよくわかんないですし。
大事なのは、このギターはどういうことが原因で、こういう音になってるのか。
ということがわかればいいわけです。
剛性が高い、ガッチリとしたギターならば
実音がはっきりと聞こえます。
低音もドッシリとします。
レスポールの、ガチッとソリッドで詰まってるものはこんな感じ。
重いテレキャスもイメージ的には近い。
しかし、行き過ぎるとしなやかさが無い。
対して剛性が低ければ、倍音が豊かに聞こえます。
ストラトやビグスビーの乗ったグレッチなど、スプリングでじょわーんとなるギターなんかはこんな感じ。
倍音が多いので、低音がはっきりときこえたりはせず。
低過ぎるとペラペラした音になります。
しかしこの剛性が高い、低いの間には無限の落とし所、バランスがあるわけです。
そういうのがどうやって組み上がっているのか、それを感覚的に捉えよう、と言う話です。
ということで次回こそ本当の始まり。
とりあげる最初のモデルは、ストラトキャスター。
世に出た順番で言えばテレキャスターですが、
今、世界で一番使われているスタンダードなエレキギターとなると、ストラトキャスターに軍配が上がるので。
そういった理由から、ストラトキャスターです。
長くなると思うので、何度かに分けて、更新していくと思います。
お付き合いのほど、よろしくお願いします。
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