ギターの音と構造の関係 #007 工房の相性
- minashunta
- 2015年6月11日
- 読了時間: 5分
さて、前回は順反り状態ではピッチが合わない、ということを図解しながら説明して行きました。
じゃあどうすればいい状態に出来るの?
ということで。
楽器屋さんや工房に出しましょう、という話で終わればいいのですが、
それにも当たり外れがあるのが困ったところ。
今回はどうすればその当たり外れを事前に察知出来るか、ということを考えましょう。
工房の良し悪し。
まず一番に当てにすると思うのは、ネットの評判。
これは全くアテになりません。
同業者が悪口を書くのだって簡単だし、その逆もしかり。
そういうことがある、というわけではなく、簡単にそういうことが出来てしまうということ。
次に、誰かの評判。
これは半々です。
例えば、その方のギタープレイや人柄をよく知っていて、その方と自分の感性が近いな、と感じるなら当てになると思います。
しかし、そうでない場合、例えばプレイスタイルが違ければ相性が悪いかもしれないので、それは人によっては外れになってしまいますよね。
例えば、そういう人がネットに評判を書いたり、ということもあるので「基本的に他人の評判は当てにならない」と思った方がいいです。
では、自分で工房に出すしかないの?
ある意味そうです。
それも勉強料…と言ってしまいたいところですがしかし、その前にいくつかその工房の良し悪しを知ることは出来ます。
その方法はとても簡単。
その工房のギターを弾かせてもらいましょう。
その方が1から作った物でも、その方の所有物でも、必ずその方が調整してあるはずなので、それが弾きやすいかどうか。
例えば、その工房を紹介してくれ方はきっとその工房でギターを調整してもらってるはずなので、その方のギターを弾かせてもらうのもありなわけでギターを。
楽器屋さんも同じく、調整を担当してくれる方が調整したギターを弾かせてもらって、弾きやすいかどうかを確かめれば、大丈夫。
例えば、自分のギターを持って遊びに行って
「ギターの調整がよくわかんないのですが、どのくらい効果があるものですか?良かったら似たギターを弾かせてもらえませんか」
と話せば、きっと喜んで弾かせてくれるんじゃないかなぁ、と。
ギターを大事にしたり、工房に来てくれる人って、本当はとても少ないので、職人さんは絶対にウェルカム!なはずです。
もし弾きづらかったりすれば
「もうすぐライブだから一度ギター持って帰って、また来ますね」
とかって言って他の工房さんを探せばいいと思いマス。
逆にギターを見せた時点で
「こんな安物のギターじゃいい状態には出来ないよ」
なんて言う話をされちゃうようなら、
それは職人さんが「俺は腕が悪いです☆」
と言ってくれてるようなものなので、ありがたく帰りましょう。
それこそ授業料と思って忘れましょう。
少し嫌な思いをしても、現金は払わないわけですし、いいじゃないですか。
弾かせてくれない…という方はいないと思いますよ。
よほど忙しい…という方はそもそも看板すら出さずにプロの方だけを相手にやっていますし。
看板出してるくせにそんな技術者がいたら、ちょっとそれはどうかなー...と思いマス。
あ。
必ず、電話やメールでアポイントを取りましょう。
ギターを準備する時間なんかも必要ですし、
いきなり行っても立て込んでることはよくあります。
えーと次に。
自分のギターばかり弾いているから、他のギターを弾いてもわからない……という場合。
いろんな楽器屋で徹底的にギターを試奏しまくりましょう。
ギターは比べないとわかりません。
本数を弾き重ねないとわかりません。
なるべく高くて、弾いて見たいけど怖いくらいのギターを「一生物を探してるのですが」と言って弾きましょう。
気に入らなかったら正直にそういえばいいし、気に入ったら正直にいいですね!と言って「嫁と相談します」とか言って逃げちゃいましょう。
別にお金があるなら買っても良いんですが、例えば僕はここ数年間、一年間で30万円以上のギターを少なくとも50本、というペースで弾いてますが本当に気に入るギターって年間5本くらいだと思います。
それでも、お金出して買いたいと思うギターは一年に一本あるかないか。
年々、求めるレベルも上がって、弾く物も選びながらの50本でも、だいたいそんなもんだと思います。
なので、とにかく自分の求めるレベルを、上げて行きましょう。
別に上手くなくたって、それはいいと思います。
ギターのポテンシャルを引き出せるくらいの腕は必要だと思いますが、それって別に早弾きや難しいフレーズが弾けるとかではなく、コードがちゃんと鳴らせるとか、リズムキープが出来てノリが出せるとか、そういうことだと僕は思います
でも高いギター弾くのは気が引ける…というなら、自分が納得出来るまで上手くなればいいんじゃないでしょうか。
その代わり、状態の悪いギターで練習しても上達はあまりしません。
というと語弊があるかもしれませんが、絶対に状態のいいギター、調整がしっかりされているギターで練習した方が上手くなれるし、状態の悪いギターでいくら練習したって上手くなれないポイントがあったとしても、調整されているギターを日頃弾いている人はそんなこと当たり前に出来てたりします。
脅しでもなんでもなく、ただ、そうだってだけです。
というわけで、あなたが何を選ぶかはあなた次第。
しかし、自分でどうにかしたい。
気に入る工房や、そもそも楽器屋すら近所にない、という方。
のための話はまた次回。
最新記事
すべて表示だいぶ間が開きましたが。 空白期間に4年ほど楽器店に勤めました。 裏方3年→店頭1年。 裏方として中古楽器関連のWebまわりをやらせてもらってたのはとても勉強になりました。 中古楽器のスペック調べてショップページに載せてく作業。...
冷静になる前に記したい。 今日はとてもいい日だった。 ただ一本のギターが全て。 極めて冷静に書きたいのに、どうしようもなく感情的になってしまう。 感情的になるほど、伝えたいこととは離れてしまうが。 2年ぶりにハンドクラフトギターフェスに行った。...
先日、銀座と新宿で幾つか機材を弾いたので久しぶりの更新です。 楽器屋巡り自体も久しぶりでしたが、なかなかいい体験をさせて頂きました。 BOSS PW-3 まずは銀座の山野楽器にて、BOSSの気になってたワウを試奏しました。...
Comentarios