ギターの音と構造の関係 #005 ブリッジだけで弦高を下げた場合
- minashunta
- 2015年6月9日
- 読了時間: 2分
さて。
順反り状態だけど、ブリッジを下げて弦高が下がって、弾きやすくなった気がする。
なのになぜそれがアンラッキーなのか。
まず大前提として、弦高というのはブリッジだけではなく、ネックの反りはもちろん、ナットの溝の深さも関係して来ます。
大まかに言うとその三角関係をうまく調整することで、リペアマンは弾きやすいギターを作ったりするわけですが、そこでブリッジだけ下げちゃった場合に考えうるデメリットを幾つか上げて見ましょう。
まず。
そのギター鳴りません。
いや、音は出るよ!と。
確かにそうですが、「よく鳴るギター」では絶対ありません。
安いんだからそんなの当たり前じゃん。
なんて、そんなのはギターに失礼です。
某通販会社の5980円のギターも、調整次第で鳴るようになります。
会社に求められる以上に時間かけて出荷してた僕が言うんだから間違いありません。
具体的に言うと。
まずトラスロッドが全く効いていない場合があるから。
例えネックがまっすぐの状態でも、ネックが反らない程度にトラスロッドは少し締めてある方が、確実にネックが安定してくれるのと、鳴るようになります。
次に、ブリッジがベタベタにボディにくっついちゃってるから。
これは可能性ではなく、確実にそのはずです。
ブリッジというのはどんなものもある程度許容範囲を持たせて調整出来るように作られていますが、その中でも一番鳴る高さというのがあります。
ここが意外と盲点なのです。
例えばストラトであれば、ブリッジからイモネジが上に飛び出ててブリッジミュートしづらい、なんて状態なら確実に低すぎです。
で、そういう状態ってペラペラな弦の音しかしないんですね。
弦の引っ張りに対して、ネックもふにゃふにゃというか、トラスロッドが効いていない状態。
ブリッジが低いと、うまくボディに力が伝わらないから、鳴らない。
ということになってしまいます。
それでもエレキギターの場合はピックアップにエフェクターにアンプでぱっと聞き格好良く出来ちゃう…のですが。
でも。まだもうひとつ大きな問題が。
そんな状態でピッチが合うはずがないんですね。
という話を次回。
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