ギターの音と構造の関係 #003 ギターは順反りで出荷されている...?
- minashunta
- 2015年6月6日
- 読了時間: 3分
最近、若いギタリストというか高校生のギターをはじめたばかりの子と知り合ったりしたので、
よりわかりやすい方向に持って行こうと思います。
ギターの基本、「作りがいい」とか言われるものってのが何なのか、よくわからんですよね。
実際、持ってみないとわからないし、その「いい」部分も塗装が綺麗だとか、フレットがきれいなだけで、ネックが反ってたり...なんてことも楽器屋さんではあるわけで。
逆にアメリカ製は作りは悪いけど音はいい、って言ったりしますよね。
塗装が微妙だったり、フレットが角ばってるけど、なんか音がいい、みたいな。
例えばそれはピックアップだったりもするわけですが、その前に共通して一番大事なことはなにか、ということを今回は分析していきたいと思います。
さて共通する、というのは。
生産国やブランド、木材の材質などに問わず、ここがダメならダメ。
ここが良ければ最低限そのギターの特徴が分かる状態、というポイントです。
で、それはどんなギターでも調整次第でどうにか出来る部分です。
そのポイント、それはネックとブリッジの関係性です。
それだけ?と思うかもしれませんが、世にあるギターでも、このバランスが悪いギターは結構多いです。
楽器屋さんに並んでいるものでも、そういうものが多いので、ポテンシャルをつかみにくいんですね。
まず、一つ目はネックの反り具合。
基本的に真っ直ぐであってほしいわけですが、順反っていたり、逆反っていたり。
ギターを出荷するときに一番気をつけなければいけないポイントは「音が出ない」ってことなんですね。
音が出ないと、返品されちゃいます。
そんなの当たり前、と思うかもしれませんがギターって逆反っているとローフレットの音がビビってでないんですね。
ビビってるギターは、基本的には返品です。
ネックが逆反ってる、意外の要因もかもしれないので、そこを楽器屋が調べたり...というのは新品ではまずありえないです。
そうなると、どうするのか。
実はギターが工場から出荷される時って殆ど、やや順反り〜順反りくらいで出荷してるところが多いんです。
順反りであれば、弾きづらいけど音が出ないってことはないから、返品はされない。
ちなみにこれは昔仕事で、一日30本くらい出荷検品してた当時の経験則です。
高いギターはそうでもないですが、10万円くらいまでのギターは殆どそうですね。
安定してまっすぐに近いのはYAMAHAくらいかな。
でもそれが悪いわけではなくて、順反り状態で届いた商品を、お店に並べるまでにしっかり調整してあげれば良い話。
移動してる時にネックが動いたりもしちゃいますからね。
でも、それが出来るお店と出来ないお店があるわけです。
特に、安いギターはそのまま並べちゃうんじゃないかな。
さて、順反り状態ということは、弦高はかなり高い状態です。
その状態でネックを調整してあげればいいんだけど、初心者にそれは判断できない。
弦高が高い=ブリッジを下げる、となってくるんですね。
そうすると今度は別の問題が…というお話を次はしたいと思います。
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