試奏日和#004 Ryosuke Kobayashi Guitars(小林良輔)
- minashunta
- 2015年6月3日
- 読了時間: 4分
今回が初出展のRyosuke Kobayashiさん。
実は春先にFacebookページで見つけて、気になっていました。
モデルは二つ出展されていましたがまずはカッタウェイ付きのドレッドノートタイプから。


Dタイプだけどマホガニーサイドバックというのは面白いですね。
アフリカの、シポマホガニー。
別名はシッポ、ユチル、ウテレなど。
やや重厚で、一般的なマホガニーやサペリよりも耐久性があるとのこと。
確かにいわゆるマホガニーサイドバックとは違ったサウンドでした。
低域がボワっと膨らむのではなく、ドッシリとしていて、森の中に霧が通って行くような、そんな音。
でもその前に、まず一番に思ったのは、とてもいい匂い。
匂いがふわっと、試奏のためにギターを動かした瞬間に香ってきます。
これはちょっと衝撃的。ココボロの匂いかな?
あまり音には関係ない、と思いきや気分が良くなると、演奏も変わりますよね。
どんな現場でもこのギターを持つと、確実にリラックスできちゃう...なんて考えたら結構すごいかも。
基本的にはフィンガーピッカー向けということですが、ピックでも気持ちいいです。
(フィンガー向けというと、以前は硬い感じの音が多かったですが全体的に最近はいい感じの物が多かったです。)
あと、とても綺麗なのがこの飾り掘り。

Facebookで気になるきっかけもここでした。
過程が動画で見れますが、かなーり神経を使う作業....。
角を立たせるというのはとても大変。
シンプルかつ、綺麗って最高です。
(少し心配なのは汚れとかたまらないかな?という点)


こちらのほうがちょっと装飾に凝った印象です。
サウンドは解像度というよりも、非常に温かみのあるサウンドに感じました。
音が出るのが当たり前というと不思議な言葉ですが、鳴っていない状態も、無音が鳴っているというか…鳴るのを待っていて、弦の触れ方で色んな声を出してくれるというか。
そんな印象をうけました。
かなりふしぎな感覚を受けたギターでした。
これら2本を見て分かる通り、指板のポジションマークすらない。(サイドにはあったと思います)
木の美しさを活かすって、簡単なようですごい難しいです。
木の表情が一本一本違う中で、これだっていう組み合わせのバランスを見つけないと、ゴテゴテしちゃったり寂しかったり。
さらに、塗装もシェラック塗装。
高級クラシックギターではよく見るシェラックですが、物凄い手間がかかります。塗り方にもコツがあって、気を抜くと簡単に失敗してしまうそうです。
例えば塗装の種類や厚さでサウンドの調整をするということはわりとスタンダードな手法だと思いますが、シェラック塗装は特に薄いということで木材の加工設計でサウンドが作り上げられてるということを実感します。
本当に少しの違いかもしれませんが、明らかに違う。
その少しのために、手間を惜しまない姿勢、こういう方こそが「ギタールシアー」と言うのだな、と思いました。
経歴なんてものはあまり関係ないと思いますが、アメリカの製作学校で学んだ後、Sugi Claftとカナダのルシアーさんのもとで修行とのことで、かなり濃い経験をされているのだなと。
なかなか、ここまで本格的な経歴の方は出会ったことがありません。
若い製作家さんということもあり、これからどんどん進化していくのだろうと楽しみデス。
楽器屋さんで何本も弾ける事はまずないと思いますので、今から来年のハンドクラフトギターフェスが楽しみです。
本日のギターのお値段
Ryosuke Kobayashi Guitars
D Cutaway
¥635,040.
OM Cutaway
¥626,400.
本日の合計
¥1,261,440也
小林良輔氏に感謝。
ps.
実は、毎年個人的に楽しみにしていたIkko Masada Guitarsさんが多忙のためか、今回出展されてなかったので寂しかったのですが、今回は小林さんのおかげで、寂しさが埋まりました。笑
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