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試奏日和 #003 Birdland

  • minashunta
  • 2015年5月31日
  • 読了時間: 7分

都内にて輸入や卸売、NAZCAケースでもおなじみのbirdlandさんです。

(と言っても僕の前職場だったりするんで、今回は公平、厳しめに、辛辣なコメントを心がけますよ、ええ。)

今回出展しているギターはカナダの個人製作家ブランドNorthwoodと、国産プライベートブランドTears。

まずはTearsから。

今回、お客さんの目を一番引いたのはこれでしょうか。

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フィンガー系を意識したギターが多いのもあり、ハンドクラフトギターフェスはギブソン系のギターが少ないのです。

オレンジがかった見た目も渋くもあり可愛いです。

ネックグリップは太く感じる方が多いかもしれませんが、正直このくらい太さがないと、鳴ってくれないよなと僕は思います。

太くて鳴らないっていうのは、作りが悪いんです。

ボディサイズは小さいですが、鳴りは本格的というかパワーあります。

言い返すと美味しいところを味わうには少し力のいるギターかもしれません。

同じTearsのJ-45タイプの方が広がりがあり、頼れる感じがありますね。

サウンドも中域にまとまりがあり、そこは好みだと思います。

(あまり僕の好みではありませんがそこはJ-45タイプのが好きだ、というだけです)

サウンドの方向性はビンテージ的であり、ブレーシングなどは細かく分析し参考にしてるとのこと。

当然、まだ若さは感じますがこれからしっかり育って行く事を考えれば全く問題ないかと。

なにより、ビンテージギブソンと違いピッチがビシッと整っていてフレットの仕上げも丁寧なのでとても弾きやすい。

ここら辺はプロの現場と求めるものをよく知るbirdlandの良さがいい形で出てるギターだと思います。

そしてこのギターはエレアコです。

アンダーサドルタイプの、highlanderピックアップが搭載されてます。

あまり多くのエレアコを弾いてきたわけではありませんが、アンダーサドルピエゾであればhighlanderが間違いなく一番だと思います。

他のものはぺらぺらでプリアンプでどうにかするものが多いですね。

今はアンダーサドルピエゾ以外にもいろいろ選択肢があるので、こだわる必要は無いとは思いますが、特にハウリング等を気にする現場にはいいと思います。

highlanderに関しては後付けだと加工が大変だったり(対応できる工房が少ない)アンダーサドルの中では割と高価なこともあり、最近はもともと載ってるTearsを選ぶ方が多いようですね。

22万円。

オール単板、ラッカー塗装、国産品。

ふむふむ。

次にドレッドノートタイプ。

IMG_3122.jpg

アディロンダックスプルーストップにマダガスカルローズウッドサイドバックさらに象牙のナットとブリッジということで、Tearsの中でもかなり気合の入ったギター。

象牙って輸入ギターには使えない(税関で没収される)らしいので、そこらへんもポイント。

今回のTearsではこれが一番好みでした。

良いドレッドノートだと思います。

象牙の良さもとてもよく出ていて、低域のしっかりとした定位が気持ちいいです。

高音弦のハイフレットでの立ち上がりに関しては、もう一声といったところ。

弾きこめばよくなると思います。

なにせ前回のsakataさんはじめ、良いギターをバシバシ弾いて比べてるので求めるところは非常に高いとこを考えて、察してくださいとしか言えません。笑

個人製作家と、国産工場製作の壁です。

このギターに関してはTearsには珍しく、ピックアップは搭載して居ないとのこと。

あえて載せない。気合入ってます。

IMG_3123.JPG

Tearsの中ではちょっと強気の35万円なり。

ではお次はNorthwood

もともとはラリビーギターの職人さんだった方が独立して個人工房で作っているブランドです。

なんか山ひとつっていうか、湖もあって見渡す限り自分の土地…みたいなとこで作ってるとかそんな写真を見せてもらったことがあります。

さて、まずは堂々のハカランダを使った、ドレッドモデル、R-80D。

装飾も…気合入ってますね。スタッフも気合入った目をしてます。

IMG_3118.jpg

握った感じ、ネックはマットな仕上げです。

太さは感じませんが、細くもなく。ベストなんではないでしょうか。

全体的に塗装は非常に薄いですが不安な感じはしません。

そして弾いた感じも、なかなかこれはどうして面白い音がします。

sakata guitarsさんのハカランダもそうでしたが、親しみやすいハカランダです。

低域がどっしりというより、少し中域に寄ったサウンドです。

山の中でスモークサーモンとか作ってそうな職人さんのイメージそのまんま…うーむわかりづらいですね。

sakataさんのハカランダは女性的っていうか、ナウシカなイメージでしたが、こっちは間違いなく男性です。

なんですかねー気高い野良猫?

おしゃれキャットのトーマス・オマリーですね。

知らない?

んじゃこれ見て。

はい。こういう音です。以上。

スペック表はこちら。

IMG_3119.JPG

今の時代、74万円というのはハカランダとしては安すぎる…のでは?

つぎはこちら。

同じドレッドノートで、インドローズ、R-70D。

装飾も少し簡素な感じ。

IMG_3120.jpg

とは言っても全体的な作りは変わらず丁寧でとても好印象。

シンプルな方が僕は好きです。

こちらはとて~もクリアーなサウンド。

上から下まではっきりと出てくれます。

同じDタイプでも、装飾が違うとか素材が違うだけではなく、ブレーシングなどもしっかり作り分けているんだなっていうのがわかります。

個人制作家のギターというのはこういった所が素晴らしいですね。

全部同じに作って当たり外れ〜ではなく、それぞれ木の個性を活かした作りをしている。

こういう加工をしてもらうと木材も喜ぶのではないかと思います。

ということで、僕はこれが一番好きでした。

スペック表はこちら。

IMG_3121.JPG

で、これは40万円ですか。

あまり値段の話はしたくないのですが、

自社ブランドの国産品と5万円しか変わらずに、海外の個人制作モノが買えるってのはちょっとありえないと思います。

どちらにも自信があるからこの値段...って矛盾してるようですが実際そうなんですよね。

プレイヤーに弾き比べて貰えばおそらく理解できるかと。

ぶっちゃけ、だいたいの輸入代理店っていうのは海外から個人制作モノを仕入れたら50万くらいは利益で抜くくらい吹っかけてるように思いますよ。

実際、そういうギターのほうが売れているのも事実です。

高い方がいいに決まってる、というユーザー真理ですね。

利益が出てればそりゃかっこいい広告も打てますし。

で、Northwoodはそれに劣るのか?と言ったら全くそんなことはない。

むしろここまで綺麗なギターはなかなかお目にかかれません。

えーとあとこのくらいの価格帯となると、フィンガーピッカー向けというか「アコースティックギタリスト」が買うものみたいな先入観があるようにも思います。

それは製作者側も思っているのか、実際そうなのかもしれないんですが。

でも、ピックでジャキーンと弾いた時の気持ちよさこそ、僕が思うアコギの良し悪しなんですよね。

バランスよく作られていれば、たとえフィンガーピッカー向けの設計でもピックもイケるという。

Northwoodに関しては、フィンガーピッカー向けの設計ではないけど、日本ではフィンガーピッカーが多く使ってる、といった感じだと思います。

ということで何がいいたいかというと、弾き語りやら普段エレキ弾いてる人こそ、Northwoodを弾いてみてほしいっつうことです。

そこらへんはTearsも含めてなんですが、是非Martin、Taylor、Gibsonと弾き比べを。

目白のショールームは予約制ですが割と居心地はいいです。

みんな大好きNAZCAケースもあるしね。

ん?

まるで元社員みたいな書き方じゃないか...辛辣なコメントを心がけなければ…。

えーとですね。

そうですね。

んー。

別にこんな記事を書いた所で僕にお金が入るわけではない、とだけは言っておきます。笑

本日のギターのお値段

Tears TLG-2

¥220,000

Tears Custom D AD/MA

¥350,000

Northwood R-80 D

¥740,000

Northwood R-70 D

¥400,000

本日の合計

¥1,710,000円也

Birdlandに感謝。

うーむ困ったことに手が出せちゃいますね。

でも僕が欲しいのはTES-335なので、今回は我慢です。

 
 
 

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