試奏日和 #001
- minashunta
- 2015年5月17日
- 読了時間: 8分
何かの用事で都内に出ると、楽器屋巡りをするのがもはや癖になってます。
備忘録も兼ねて。
弾いた感想、インプレッションを自分の修行の一環で言語化しようという試みです。
毎回、少し長いですが良かったら。
山野楽器 ロックイン新宿 A館1階
~スペック~
BODY: Alder 2P NECK: Maple JOINT: ARIMIZO 1 Point Joint GRIP: FCGR U FINGER BOARD: Indian Rose 24F 25inch Scale NUT: Silicone Oiled Bone Nut FRET: FCGR Stainless SP-SF-05 WARM FINISH: 17:40 Poly PICK UP: FCGR HB Hybrid & FST Type-3 WEIGHT: 3.56kg
気になっていたHydra Classic。
アンプはFender Blues Jr。歪にレクティークの9/9を挟みました。
様々な仕様があるけど、ブリッジがウィルキンソンタイプの物が個人的には好きです。
だいぶ前にHydraのプロトモデルを山野楽器本店で弾いた時、かなり衝撃を受けてから少し価格を抑えたClassicはどうかな?ということで。
まずアルダーボディということでやや中低域に寄ったサウンド。
自分の基準としてはアッシュボディのストラトを普段から使っているので、アルダーの鳴り方はそんなに馴染んでいないです。
ペグがクルーソンタイプのロックペグで軽くて質量の無いものなのもあり、すこしフワッとした印象。
Gotohも好きですが、個人的にはウィルキンソンブリッジにはSparzelがベストマッチだと思っています。
でも全体的なギターとしての精度が間違いないのは、Freedomというところで。
レスポンスが良くて六弦解放~4フレットあたりのピッチ感のいい低音がありながら、ほどよく倍音が出てるのでとても弾きやすいサウンド。
ただやはりもう少しプレゼンスがほしい。
なんならGotohの510系のペグか、フロイドローズを載せてしまったほうがこのギターには合いそうです。
Hydraにはあくまでモダンなサウンドを求めているので、Classicというのがあまり自分には合わないのかな?とも思いました。
アッシュボディのモデルなんかがあれば弾いてみたい。
ピックアップに関してはそれぞれのサウンドはいい感じで、ハムのタップ切り替えをポットで行うというところや、タップした時のサウンドも弱々しくなく、なかなか使い勝手は良かったです。
ただ、切り替えた時のバランスとミックストーンがあまり気持ちよくなかった。セッティングでどうにか出来る範囲なので別にいいのですが。
ということで初のHydra classic。
Hydraよりは安い...ということですがこれは43万円。
んーならばHydraの方がサウンドも好みだっつうコトがわかったのが収穫。
あとは最近お気に入りの歪、レクティークの9/9。
すごーくいいです。
ガッツリ歪むペダルが欲しくて探したんですが、しょっぱなにこれに当たり、それ以降結構弾いてるけどどれもイマイチなのです。
ディストーションってのは僕が出したい音ではないというか...重さはあまりいらないので。
オーバードライブの延長線にありながら、ダーティーにズクズクっとさせる事も出来るという素敵なペダル。
解像度も結構高くて、ノイズも少なくて、いずれ買うと思います。
山野楽器 ロックイン新宿 A館1階
〜スペック〜
SHAPE:Dreadnought TOP:Solid Sitka Spruce SIDE&BACK:Solid Brazilian Rosewood NECK:Tropical Mahogany FRETBOARD:Ebony SCALE:25 1/2”
一年前に買ったCampsのエレガットを薦めてくれた店員さんに会いにアコギフロアへ。
エレアコもそのうち欲しいなぁということで相談していて、L.R baggsのLirycが載ってるモデルを試奏...と思ったらすごいのが出てきたという感じです。
Taylorのギターはもちろん弾いたことありますが、
やはり工場製品感がバッチリ出ていて好みではないので、(そこを突き詰めていくタイプのギターだということはわかっていますが)普段からあまり選ばないので、店員さんおすすめじゃなかったらまず縁のなかったギターかも。
なんとサイドバックに贅沢に使われたハカランダ。
流石に、重いです。笑
2001年製ということで当時の参考価格80万円。
中古で40万円ですが、もし今新品で同じ仕様で作るとしたら130~200万円くらいでしょうか。
そこまで年代を感じさせない、綺麗に使われてる感じしました。
ハカランダのギターは新品の物をいくつか弾いたことがあるんですが、
やはり時間をかけて鳴らしていくギターだなと思う、重厚さがあります。
ずっしりどっしり、しっかりした屋台骨がある。
そこを弾きこんでこなれてくると、しなやかさが出てくるといったイメージです。
このギターは後付でLirycをつけてるように、弾きこんで来られたんだなぁというしなやかさがありました。(まぁ観賞用にTaylorを買う人もあまり居ないでしょうが)
フレットもすり合わせてあって、全体的に弾きやすいです。
指弾きでもストロークでもどちらでも。
Lirycもすごいいいですね。
いろんなシステムがありますが、とてもシンプルかつしっかりとした音を出してくれるのでこれは売れるなぁと思いました。
個人的にもこもこした低域や、アンダーサドルタイプの妙なライン感、無理やり創りだした高域のいわゆるエレアコサウンドが嫌いなので、そういったものが少なく、低域の倍音もしっかり拾いながら歯切れがいい、高域が気持ちいいサウンドだったのが印象的でした。
今回はミキサーダイレクトだったんですが、足元にプリアンプを置けばかなりいい感じだろうなぁと思います。
コスト的にもアコギ本体+5万円でシステムになるので素晴らしいと思います。
件のCampsに載っているFishman Premium Blendも素晴らしいのですが、これが載ってるギターがホントに少ない….。
これに関してはオンボードプリアンプがあるのでアトヅケしづらいってところもありまして。
(ちょっと脱線すると店員さんもとても気に入ってるとのことで、店オーダーでK.Yairiに作ってもらってるそうです。)
今更ですがネックの「トロピカルマホガニー」ってなんじゃそれってかんじですね。
山野楽器 ロックイン新宿 B館2階
〜スペック〜 Body Top...Flame Maple Body Back...1P Mahogany Neck...1P Mahogany Fingerboard...Rosewood(Jacaranda) Scale...25' Bridge...FCGR SP-B-01 N Pickup...VooDoo HB-59/HB-60 Control...1Vol 1Tone 2Tap Control
おとなりB館2階にて。
いくつかあったRRの中から、間隔的に一番スタンダードと思える物をチョイス。
RRは初めて弾くのですが、設計を見る限りレスポールのリファインなので、レスポールのつもりで弾きました。
ネックのシェイプもしっかり太めで弾きやすく鳴りも良く、およそ特に文句のつけようのない、レスポールタイプのギター。
そもそもいいセットネックに楽器屋で出会うことはほとんど無い中、こういったギターが割と市場に出回ってるっていうのはいいなぁと思います。
こういうギターを基準に、ギター選びを高校生くらいから出来たらいいと思います。
若いギタリストこそ臆することなく、試奏するべきだと思ってます。
僕なんて数年前に某楽器屋で、Fenderカスタムショップの62系で良い奴とHydra弾かせてくれって言って、弦交換やらネック調整やらをしてもらいながら2時間弾いたりしましたからね。
その後に就職したらその楽器屋が取引先で顔バレして…みたいなこともありますが、おおよそそういう仕事に行かないのなら大丈夫だと思います。
あんまり爆音だったり...とかってことは気遣うほうが良いと思いますが。
少し脱線しましたがRRの話に戻ると。
載ってるVoodooピックアップがいい感じで。とても好みでした。
今日弾いたHydraと同じく、ポットで10~0のタップ調整ができるんですが、ハムの音が、特に喰い付きが良くて、タップサウンドも悪くない。
Hydraに載ってるFreedomオリジナルのハムのほうが、シングルにした感じがハッキリ出てていいですが、そもそものハムのサウンドがVoodooの方が数倍好みでした。
ギターを選ぶピックアップというか、このピックアップを載せると音が良くなるというもんではなく、ギターのサウンドを純粋に、なるべくハイファイに増幅させるという本来のPAFの設計思想のピックアップだと思います。
僕はそういったピックアップが好み、というだけですが。
そんなに多くのピックアップを触ったこともなく、Duncanなんかもあまり縁がないんですが、Voodooいいですね。
自作のセットネック用のピックアップが欲しくて、基本線はSheptoneにオーダーを考えてますが、ちょっと選択肢が増えるというのは嬉しいです。
ちなみに、夏頃にFreedomから新しいモデルが発表されるとのことです。
ざっくり言うとメイプルネックで1PointジョイントのRRだとか。
もう試作品はできてたりするとのこと。
実際、普段僕はストラトをメインで使っているのでレスポールタイプのギターって鳴らし方が下手というか、あまり慣れてないんです。
そういった中でやっぱり好きなのはHydraかな...とは思いましたが、別方向からのアプローチで、少しストラトに近い感覚のギターが出るってのは嬉しいです。
近々友人とショールームに行きたいね、なんてことも言ってたので楽しみでございます。
ちなみにこのレスポール再設計タイプの最高峰は個人的に、ロベン・フォードで有名なTakuSakashta氏のNoupaulだと思っているのですが、どこかで「レスポールの再設計モデルを作ろうと思ってるんだ」といったような話を聞いて、競いあうように作った...なんて話があったようななかったような。
いつかNoupaulも弾いてみたいものです。
ということで。
今は日常的に楽器屋巡りができる日々ではないですが、
たまに都内に出たりすると、やっぱり幾つかギターを弾こうと思っているので、
こういったレポートは意外と過去のものもあったり溜まってたりします。
蔵出しすることはあまりないと思いますが、今後も変わらず弾いていくと思いますので、参考になるかどうかわかりませんが、少しでも楽器屋に足を運びたくなるような記事が書ければなーと思っています。
本日のギターのお値段
Freedom Hydra Classic
¥435,075
Taylor 810 Brazilian
¥399,600
Freedom RRC-12F
¥556,200
合計
¥1,390,875
楽器屋さんに感謝。
おわり。
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